俺様生徒会長
俺は全速力で走った。


まだ落ちるなよ、葵!


と思った瞬間、葵は落ちてきた。

ちょ!

おま…

待てって!!



……滑り込んで、なんとか葵を受け止めた。


ま、間に合った……良かった…。

無理だと思った。


つーか……やめろよ葵。

こんな寿命縮むこと。



「ゆ、悠也…!?」


俺に抱かれたまま、葵は驚いて俺を見た。


「……どうして…?」


どうして?


……落ちそうだったお前を見つけたら、居ても立ってもいられなくなって…

なんて言えるか!


黙ってる俺に疑問感じてるっぽいな、葵は。


「あの…」


あ?


周りの奴らが皆俺を見ている。

すごいざわついている。


……ま、当然の反応だよな、これは。


教師もなんかこっちに向かってくるし…。


なんでもっと冷静な判断ができなかったんだ、俺は!?

って、分かってるだろうけど。


はあ~……面倒だな、くそっ!


「ふわ!?何!?」


俺は葵を抱きかかえて、一目散に走った!



こういう時は逃げるが勝ちじゃね?



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