じぇねれーしょん

促されるままにグラスに口を付けて、七緒はうっとりと呟いた。




「贅沢だわ。」



リカが「何?」というように首を傾げる。


「だって、仕事で疲れて帰ってきて、お疲れ様って言ってもらって心得たようにアルコールとおつまみが出てくるなんて、一人暮らしじゃアリエナイもの。しかもそれが将来の世界一のバーテンダーで、貸切カクテルバーっていうんだから、最高の贅沢ね。」




しかもカクテルは虹色。

何がなくともハイになれそうな。



幸せな気分でそう笑いかけると、リカはカウンターの向こうで固まった。


その不思議なリアクションに今度は七緒が「何?」と目混ぜで問う。


リカははぁと深い溜息を吐いて溶けかかりのアイスみたいにカウンターに項垂れた。




「……七緒さん見てると時々ものすごーく心配になる。」


はい?


これまでどこでも『しっかり者』とか『頼れる』という評価を得てきた七緒は、心外だと眉を跳ね上げる。


何にせよ、六つも年下に言われる言葉ではない。



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