色なき美術館~かくれんぼ~
急いで部屋を出る。
あの男に捕まれた足が未だジンジンとして熱い
次の部屋へ進もうにも気が乗らない。
「ハァ、もう帰りたい」
でも帰れない鍵を見つけない限りは
次の部屋は気味の悪い人形がずらりと並んだ部屋。
「何この部屋。」
入った途端に頭痛がしてきた。
「この部屋には長居しない方が良さそうね。」
部屋を出ると今まで戻ってきた場所とは違う部屋に戻ってきた。
扉はひとつしかない。
しかも中から変な音するし…
「嫌だな入りたくない」
だんだんと次の部屋進むのを拒絶するようになった。
音はだんだんと近付いてきている。
ここで開けたら間違いなく死ぬ
分かってる。分かってるのに体が勝手に動きドアノブに手が触れる
ガチャ
おそるおそる顔を覗かせると、その音は停まり一人の少年が倒れていた
その少年に駆け寄る
「大丈夫?」
「う…ごほっ」
その少年は起き上がると周りを警戒して瞳孔を開き私をガン見してきた
「大丈夫。私はなにもしないわ。むしろ貴方に何かされるんじゃないかって警戒しているのだけれど…?」
「僕は何もしないよ。ただ僕は脱出に失敗した」
えっ?…
