別れの理由

外はすっかり朝になっていた。
小鳥のさえずる声や、
新聞配達のバイクの音が、沈黙の時間を繋いでくれている。

優しい、二人だけの音。
俺は彼女を抱きしめた。強く、強く抱きしめた。
俺から離れてしまわないように、


そして、

彼女の言葉を信じていられるように………。

だから、


「ソイツのこと待っててやれ」


俺は、そう彼女に別れを告げた。



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