体育館12:25~私のみる景色~

 自分でも似合わないってわかってるけど、好きな人にそう思われるのは悲しいよ。


 けど、こんなんでめそめそ泣いたりしたらウザイ子認定されちゃう。


 佐伯先輩は最初よりもさらに目をつり上げてるし、完璧にお怒りの顔だよ。


「やっぱり似合わないですよねっ!? 変なもの見せちゃって目が腐りますよねっ」


 わざと明るい声で言うけど、めちゃくちゃ虚しいし、悲しい。


 私も千夏みたいに着こなせたら、褒めてもらえたのかなあ。


「あーもう……。ほんと、なんでそう自覚しかないかな。心配しかないんだけど。変な奴になんかされたりしなかった?」


 そう言って佐伯先輩は眉を寄せ、怒ってるような心配しているような顔をした。


「何もされてないですよ? したのはむしろ、私の方かもしれないですけど!」


 だって、私を見た男のお客さん、ほとんど顔真っ青にしてたんだもん。


 それだけ私がキモかったってことだろうし。


「なにそれ、どういうこと? 宮下さんもしかして、男誘惑して客寄せなんかしてないよな?」


「なななっ!? 私がそんなことできると思います!?」


「……ないね」


 ふはっと佐伯先輩が笑って、私もつられて笑った。


 気づけばいい感じに話せていたし、私だってやればできるんだなあっ。


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