体育館12:25~私のみる景色~
「どうなの? 宮下さん」
なおも追及してくる佐伯先輩。
もう周りからの視線も痛すぎてこの場にいられないっ。
「そ、そういうことにしておいてください!」
言った瞬間に、猛ダッシュ!
後ろから佐伯先輩の引き留める言葉が聞こえた気がしたけど。
今は気が付かないふり。
せっかく佐伯先輩が話しかけてきてくれたのにもったいないことしたなあ。
なんて思うけど、サエさんにされていることがばれたら、佐伯先輩にも迷惑かかりかねないしね。
これでよかったはず!
「……嘘下手過ぎ」
教室に向かって走る私の背中に向けて、佐伯先輩がぽつりとそうつぶやいたことには、誰も気が付かなかった。