身代わり姫君の異世界恋綺譚
「真白っ! おなごは口に入ったまま話してはいけないことぐらいわからないのかっ?」

いきなり注意をされて真白の頬はみるみるうちに膨らんでいく。

――清雅が来たからおはようって言ったのに……。

「もうっ! 清雅、うるさいっ」

真白は不機嫌におかゆをすくって口に運んだ。

「紫鬼に白笠山へ行くと言ったのか?」

真白の前に胡坐をかいてちょこんと座る。

「うん。言ったよ。一緒に行ってくれるって」

昨晩のことを思い出して頬を赤らめながらにっこりする。

「食べ終わったら荷物を積んで出発だからな」

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