身代わり姫君の異世界恋綺譚
朝早く起きて清雅は、真白が乗る牛車に結界を張った。

移動中でも穢れを受けないように。

――別宅へ着いたら休む間もなく結界を張らなくては。

牛車の中を物珍しそうにしている真白を清雅は見ながら思った。

「清雅、意外と中は広いんだね?」

2人は向かい合わせに座った。

「あとは紫鬼だけ?」

その時、牛車の御簾が上げられた。

乗り込んできた人物に真白も清雅も驚いた。

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