身代わり姫君の異世界恋綺譚
清雅から5メートルほど離れた時、足をスッと撫でる様な感覚を受けて真白は一瞬泳ぐ手を止めた。

「魚……だよね……」

水の中なので冷たいのだが、なぜか背筋にゾクッと寒気を感じた。

次の瞬間、足首を掴まれ一気に水の中へ引き込まれた。

「むぐぐぐ……」

抵抗しようともがくがあまりにも強い力で引きずり込まれる。

バシャン!


清雅は真白が離れてやっと見れるようになった。

「真白は泳ぎがうまいんだな」

そう口にした時、真白が大きな水音を立てて水の中に消えた。

「ま、真白っ!?」

真白の方から怨霊の気配を感じた。

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