身代わり姫君の異世界恋綺譚
「都へ行ったのだ。夕刻には戻ってくるだろう。それよりも腹が減っただろう」

その声に女房たちが部屋に入って来た。

部屋の中を片付けていく。

「縁側に昼餉を用意した。一緒に食べよう」

縁側に出ると、いつもより豪華でおいしそうな食事が用意されていた。

いつになく豪華で真白は目を真ん丸くした。

「お前は体力をつけなくてはいけない」

清雅が照れくさそうに言う。

「真白様、その魚は清雅様が川へ取りに行ってくれたのですよ」

側にいた桔梗が言う。

「……わざわざ……ありがとう。清雅」

優しさが嬉しくて真白はにっこり笑った。

< 216 / 351 >

この作品をシェア

pagetop