身代わり姫君の異世界恋綺譚
着物を身につけた所にガラッと障子が開けられた。

「きゃっ!」

真白は驚いて声を上げた。

「す、済まぬ」

驚く真白の声に、清雅も驚く。

「う、ううん。大丈夫。急だったからビックリして」

言葉がしどろもどろになってしまう。

紫鬼と過ごしたことで、清雅に後ろめたさを感じている。

「元気になったようじゃな?」

着物姿でたつ真白を見て清雅は満足げだ。

「紫鬼が昼刻まで眠らせろと言って行ったのだ」

「紫鬼が? 紫鬼はどこへ行ったの?」

昨日と同じくまた姿が見えずに真白の心は不安になる。

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