身代わり姫君の異世界恋綺譚
「では私が真白だけに見せよう」

真白は草むらの中へ入っていく紫鬼をぽかんと見ていた。

紫鬼が手を草むらに向けて振ると辺り一面に花畑が出来た。

「うわぁっ! すごい! すごいよ。紫鬼っ!」

尊敬の眼差しで見てしまう。

色とりどりの花の中へ真白も踏み入れた。

花を踏みつけないように気をつける。

「すごくきれい~。清雅にも見せてあげたいな」

「お前だけだ。お前だけに見せたいと思ったからしたことだ」

「紫鬼……ありがとう」

紫鬼が喜ばそうと、自分の為に力を使ってくれたことが嬉しい。

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