他人の彼氏
静まり返る室内で、


「希、ビール持ってきて」


「あ、はい」


冷蔵庫に取りに行こうと
立ち上がった私の手を
楓さんが掴んだ。


「居候ちゃんは座ってて」


真剣な表情の楓さんの言葉に
思わず、腰を下ろした。



「さやかさぁ・・・・
もう、いい加減
あいつに、こだわんのやめなって」


「別に・・こだわってなんか・・」


「こだわってんじゃん。
彼氏できても
すぐ、大輔の以上好きになれなかったとか言って
全然続かないじゃん」


「それは・・・・」


「あいつはダメだって。
顔良い分、女遊び激しいし
性格だって曲がってるしさ~
エッチ上手くても
顔良くても
一途じゃないと
うまくいくはずないじゃん?
来るもの拒まず、去るもの追わずっていう男そのものじゃんね?」



たこ焼お兄さん
散々な言われようだ・・・。
< 144 / 276 >

この作品をシェア

pagetop