「こ、ここ……?」


叶の目の前に現れたのは見るからに重厚そうな蔵。

闇にぼんやり浮かぶ蔵は不気味としか言い様がなかった。


ーウソでしょ?!ー


斎藤はその扉を開けると背を押し、暗闇の元へと叶を放り入れた。


「ちょ、出してよ!」


既に閉じられた扉へ駆け寄るが斎藤の足音がどんどん遠ざかっていくのが分かり、叶はズルズルとその場に崩れ落ちた。
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