広間では叶の審議が始まろうとしていた。

広間の真ん中に叶、正面には見るからに厳つい面持ちの男、その両脇には土方と優しげな表情をする男が座っていた。

叶の脇には斎藤を始め、原田や、まだ叶の見たことのない男達が居た。



「藤堂君は、遅いな…まだ総司は捕まらんのか。」



正面の厳つい男が溜め息を吐く。



「いいじゃねえか、総司なんざ待たなくてもよ。」



苛つきを隠せない土方。

当の叶はぼんやりと正面を向いていた。

まるで生気のない顔つき。

そんな叶に原田が近付く。




「どうした?」

「え?」



不意に話し掛けられ、キョトンと原田を見る。




「心ここにあらずって顔してるぜ。」

「そう、ですか?」

「ああ。ま、そんな心配すんな。」




クシャと大きな手が叶の頭に乗せられた。
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