「あーあ、今頃大変な騒ぎになってるだろうね。」

「頭痛えな。」




新選組内の事を言っているであろう二人の発言に叶は心の中で手を合わせる。


ーごめんなさいー


それでも屯所とは別の方向に進んでいるのが分かり、ホッとしていた。

暫く歩くと現代で言う商店街であろう町並みが広がる。

辺りは暗く、そこが何処なのかは勿論分からないが、一軒の平屋の前で沖田は止まった。

平屋は一見何かの商売をしている様にも見えた。

その脇の路地に入っていく。

少し奥まったその場所の扉をカラカラと音を立てて沖田が開いた。



「おいおい、総司。いいのかよ。」



原田も知らない場所なのか、勝手知ったる我が家の様な行動に驚いた。




「別に。大丈夫ですよ。」



無愛想に返事をして、沖田は家の中に入る。

叶と原田は顔を一度見合わせ、それに続いた。
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