土間、厨を過ぎた一室の前で沖田が声をかける。




「ご主人。奥、お借りします。」

「ああ、沖田さんですか。どうぞ。」




原田が怪訝な顔をする。




「なあ、此処は何処なんだ?」




ーえ?原田さん、知らなかったの?ー




「蕎麦屋だけど。」

「蕎麦?!」


ー蕎麦?!ー




そうこうしているうちに奥の部屋に着く。

三畳程の狭い部屋。

隅に座布団を見つけた叶がそれを置く。

各々が座布団に座る。

叶は下を向き、どちらかが話し出すのを待った。
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