生徒会の恋愛事情

舞台の上で



今日は文化祭の2日目です。


って言っても、あたしは劇が始まるまでは保健室で待機だから、楽しげな声は全然聞こえてこないんだけどね。


「平井、足は大丈夫?」


でもこうやって、蛇持先生が気を遣って話しかけてくれるから、寂しくはないな。


「大丈夫ですよ。
もう治ったのかなってぐらい。」


「それはないよ。
今は安静にしてるからそう思うだけ、無理は禁物。
あと一時間したら平井も移動しないといけないから、今から注射ね。」


「はい。
お願いします。」


この注射は昨日もしてもらった。


針が思ったより太くて、最初はかなりビックリしたが、先生がすっごく注射上手くて全然痛くなかった。


「すいません。
今日もお願いして。」


「いいのいいの。
これが私の仕事だから。
それより、今日も舞台頑張ってね!
昨日の評判、凄く良かったみたいだよ。」


「ありがとうございます!」


先生が言ってくれた通り、昨日の舞台の評判はなかなか良かった。


菖蒲ちゃんもたった2日で完璧にこなしてくれて、あたしはあたしで、何とか巫女役を務めた。


あまりにも観客が多くて緊張したけど、とりあえずセーフかな?



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