生徒会の恋愛事情


先生に打ってもらった注射は効き目が抜群で、動いていても全く痛くなかった。


「先生、華羅お姉ちゃんの具合って聞いてますか?」


「聞いてるよ。
怪我の治りも早いみたいで、心配いらないって。
明日は学校が代休だから、私も見舞いに行くから、また知らせるよ。」


「え?
わざわざお見舞に行ってくれるんですか?」


「うーんと、わざわざっていうか…うちの実家なんだよね、その病院。」


「え?
華羅お姉ちゃんが入院してるのって、日本でも凄い病院なんですよね?
ご実家なんですか?」


「そう。
私も本当は医者なんだよ。」


「え!?
保健室の先生なんじゃないんですか?」


「5年契約で保健室の先生やってるの。
ほら、ここの学校の生徒会って、凄い家の子多いでしょ?
そういう子が学校で体調崩したり怪我した時に、すぐに対応できるようにって、うちの病院から5年毎に医者を送り込んでるわけ。
で、去年から私が担当なの。」


「そうだったんですか。」


「そうよ。
この注射打つのも医師免許いるから、普通の保健室の先生じゃ打てないんだから。」


「…あたし、この学校で良かったです。」


「確かに、ある意味そうかもね。」



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