ただ、名前を呼んで
・大切な人を大切に
母の死からわずか3年後。
祖父がこの世を去った。
僕の一番の理解者であり、最高の憧れであった祖父。
祖父の最期は僕と祖母が看取った。
祖父の左手を祖母が握り、右手を僕が握ったんだ。
祖父が遠ざかる瞬間、精一杯の気持ちを込めて僕は言った。
「僕はじいちゃんの孫で良かった。ありがとう、大好きだよ。」
祖父は穏やかな表情で、とても静かに旅立った。