無愛想な彼に胸キュン中




「乗ってないし。話はそれだけ?あたし、もう行くから」



呆れて教室を出ようとしたあたしの腕を、
女の子が掴んだ。



「ちょっと。……っ!」



パンッと聞こえた鈍い音。鋭い痛み。



――は?
あたしは目をぱちくりさせた。



あたし今……叩かれた?



「本当うざい。迷惑だから、今後青葉くんに近づかないで」



「…………」




女の子はそう吐き捨て、教室を出て行った。



――何なのよ、まったく。
あたしは叩かれた頬をおさえた。



女の子の言い分も意味不明だけど。
どうしてあたしが叩かれなきゃならないのよ。



「痛いし……」



これくらいじゃもちろんあたしは泣かないし、あんな脅しも怖くない。


だけど。……最悪。
これも全部、青葉のせいだー!!




< 96 / 405 >

この作品をシェア

pagetop