Secretな関係
三年生は授業が四限までだったらしく、しゅんちゃんに事情を聞いた望くんは急いでうちに来てくれたらしい。
望くんは高校でもサッカーをしていたのでしゅんちゃんとは知り合いだったみたい。
でもどうして望くんに言ったのだろう?
「あの…」
「ん?あ、どうして俺が来たのって顔してる」
「えっ!あ…えっと…」
図星を突かれて驚く。
エスパー?なわけ無いか。
「裕也と何かあったでしょ?」
「…はい」
「しゅんが俺にゆあちゃんが早退したのを伝えてくれたんだけど…何かあったのなら裕也に言う前に俺に言ってワンクッション置こうと思ったのだと思う」
察しの良いしゅんちゃんにはバレバレだったって事かな?
「まぁ、何があったのかは知らないけど?裕也の帰る方向が真逆だったし…ここに帰ってきてないでしょ」
「…はい。でも、私が何かしちゃったのは確かで…」
「本当に?」
「え?」
かちっと火を止めごそごそと何かを取り出しながらこちらに近づく望くん。
「あいつ結構勘違いとか多いよ?早とちりしてなーんにもしてない俺が怒られたり…何したか分かんないならそれを素直に聞いちゃうのもありかもよ?」
そう言ってふわりと前髪をあげられ冷えピタを貼られる。
「気持ちいいでしょ?…取り敢えず今は熱下げることだけ考えよう!辛いこと考えて熱上がっちゃうとだめだからね!」
こくりと頷き毛布に包まり体育座りになると、望くんはまたキッチンに戻った。