最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
「うーん、そうだねえ。彼女は綺麗だし頭いいしね。そう言えばスタイルいいんだよね? 胸なんかも意外に……ねえ?」
「し、知りません!」
「知らないわけはないでしょう」
「そんな事より、どうなんですか?」
「うーん、三角関係で社内の噂になるのは目に見えてるからねえ。やっぱりその話は……」
「ストップ!」
「はあ?」
中嶋さんは断ろうとしたが、俺は慌ててそれを言わせなかった。
考えてみたら、今ここで中嶋さんに断られても困るんだ。だって、そうだろ?
“中嶋さんに恭子さんの気持ちを伝えましたが、断られました”って恭子さんに言うのか?
そんな事したら、“何を勝手な事してるの!”って恭子さんから怒られるに決まってる。それじゃ意味がないんだ。大事なのは、恭子さんにチャンスを与える事なんだ。つまり、自分の口で中嶋さんに想いを告げるチャンスを。その結果断られても、きっと恭子さんは納得すると思う。うん、そうなんだよ……
「答えは本人に言ってやってください」
「本人に?」
「はい。僕が場をセッティングしますから、恭子さんに告白するチャンスをあげてください。もちろん中嶋さんがどう応えるかは中嶋さんの自由でいいです。お願いします!」
俺はテーブルにおでこが着くほど頭を下げ、中嶋さんにお願いをした。