最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
「あ、そうか。楠さんも一緒に行きましょうよ。つまり3人で。“友達”なら、全然おかしくないですよね?」
「え? それはちょっと……」
莉那先輩は困ったような顔をした。しかしここで引いてはダメだ。ここが肝心だからね。
「嫌ですか? だったらこの話はナシという事で……」
「わ、わかったわよ。そうしましょう?」
「アフターファイブに酒飲んだりもしましょうよ。3人で」
俺は最後の“3人で”を強調して言った。
「なんで私もなの?」
「え? だって、僕って意外かもしれないけど人見知りするんですよ。恭子さんって人と二人きりじゃ、きっとろくに話もできないと思うんです」
「そうは見えないけどなあ」
「そうなんです!」
「わかった……」
よし!
それならむしろ好都合かもしれない。恭子さんって人には悪いけど、彼女をダシにして莉那先輩に接近しようっと。ウヒヒ。
「じゃあ、恭子さんって人と友達になる件、引き受けますよ」
「そう? ありがとう」
莉那先輩は、満面とまでは行かないがニコッと微笑んだ。“50万ドルの笑顔”ってところかな。