最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
ハイテンションな莉那先輩と俺で、メニューを見ながら次々と料理を決めていった。刺身や串カツ、肉じゃがに冷やっこやあれやこれや。恭子さんからは、一つもリクエストがなかった。
頼んだ料理が次々と運ばれ、さあこれから食うぞって時だった。
「二人ともごめん! 今、代理店の人達がよそで飲み会しててさ、私はそっちにも顔出さないといけないのよ」
突然、莉那先輩はそんな事を言い、既に腰を浮かせて帰る態勢をとっていた。
「楠さん……?」
俺はきっと情けない顔になってると思う。だって、この状況で恭子さんと二人にされたら、俺はどうしたらいいの?
しかもこんなに料理を頼んじゃって、どうすんですか? 俺は少食だって言いましたよね? 恭子さんが大食とも思えないし……
「川田君、恭子をよろしくね?」
と言った莉那先輩にはちっとも悪びれた様子がなく、もしかして莉那先輩、確信犯っすか?
莉那先輩は、恭子さんには「楽しんでね?」と言い、しばらく、と言ってもほんの数秒だと思うが、二人は互いに見つめ合い、何かしらのアイコンタクトをとっているように俺には見えた。
ひょっとしてこの二人は……できてたりして?
なんてね。