最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
「ところで川田よ、どうして中嶋さんの事を聞いたんだ?」
「あ? 別に……」
「もしかして、五十嵐女史の絡みか?」
「ち、違うよ」
「そうか? じゃあなんでだ? 他には考えられねえけどなあ」
俺はだんまりを決め込んだ。今は恭子さんの話題に触れてほしくなくて……
「チッ。だんまりか。そう言えばおまえ、五十嵐女子と会ったんだよな? どうだった。何か進展したのか?」
「何も……」
「そうだよな? あんなブサイクな女とおまえじゃ……って、おい。何すんだよ?」
俺は咄嗟に田上の胸ぐらを掴んでいた。
「今の言葉を取り消せ!」
「ど、どの言葉だよ?」
「“ブサイク”って言ったろうが! 今すぐ取り消せ!」
「わかった。わかったから放してくれ」
「ああ」
俺は田上から手を放しながら、自分でも驚いていた。なんでこんなにも腹が立っているのかと……
「悪かったよ。ろくに彼女の事見てないくせに、イメージだけで言っちまった。許してくれ」
「ん、わかった。俺も悪かった。ついカッとなっちまって」
「ふー。それにしてもおまえ、もしかして五十嵐女史の事……」
田上はワイシャツの前を直しながら言い、その言葉は、俺の胸にグサッと突き刺さったような気がした。