最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
「どうしても聞きたいか?」
田上はラーメンをゴクッと飲み込みそう言った。
「当たり前だろ?」
「じゃあ、1回しか言わないからちゃんと聞けよ?」
「わかった」
「おまえも中嶋さんもイケメンだ。従って女にモテる。タイプが違うから、ファン層は違うだろうけどな。以上!」
そう言い捨て、「ああ、ムカつく」とか言いながら田上は餃子を食いだした。
「おいおい。中嶋さんはそうだろうけど、俺はイケメンじゃないし、モテないって……」
「はいはい。川田君は無自覚の天然君でしたね?」
「なんだよ、それ……」
俺がモテるとかモテないとかはどうでもいいが、田上は決定的な事を言ってくれたと思う。つまり、“ファン層は違う”と……
それにより、俺が中嶋さんに似てるから、という仮説は成り立たなくなったと思う。という事は……
相手は誰でもよかったって事か? 俺じゃなくても。
そうなんですか? 恭子さん……
そう思ったら急に体から力が抜け、食欲まで失せてしまった。