最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
「川田君、またおんぶしてくれる?」
アパートの階段の下で、遠慮がちに恭子さんは言った。
恭子さんって、意外に甘えたがりらしい。が、その割には彼女の顔が甘え顔と言うよりも、泣きそうに見えるのはなぜだろう。
ま、いいか。
俺は鞄と買い物した袋なんかを転げ落ちないように気を付けて階段に下ろすと、この間と同じく恭子さんの前で腰を落とした。
「お姫さま、どうぞ私めの背中にお乗りくださいませ」
「川田君ったら……」
恭子さんは俺を信頼しきってくれているようで、体をピッタリと俺に付けてくれる。正直、恭子さんをおぶって階段を上がるのは結構キツイが、代わりに恭子さんの胸の膨らみなんかを背中で感じる事ができ、むしろ役得ではないかと思ったりする。
お互いにシャワーを浴び、早々に俺は恭子さんに伸し掛かっていった。
「今日は電気を消さなくてもいいですか?」
「うん」
よかった。やっと恭子さんの裸を見られる。
と喜んだのだが……