最後の願い 〜モテ男を惑わす地味女の秘密〜
地味女の寝言

俺は奢るつもりだったのに、恭子さんは頑なにそれを拒み、結局割り勘にした。恭子さんって、かなり頑固らしい。


その日の帰り、俺と恭子さんは一緒に会社を出て、ショッピングモールで買い物をした。

恭子さんは、女物のシャンプーやらボディソープやら何やらと、着替えなんかを、たぶん下着を含めて、たくさん買い込んだ。つまり、お泊りセット。


ついでに晩飯もその中で食べ、二人で俺のアパートへ帰った。

ちなみに駅からはまたタクシーに乗ったが、料金は自分が払うと恭子さんは言い張った。


「川田君一人なら歩きなんでしょ?」

「それはまあ、そうですけど……」

「だから私が払うのは当然でしょ? オッケー?」

「わかりました」


てな調子。


「恭子さんは買い物もしたし、お金が大変じゃないんですか?」


と言ったら、


「全然大丈夫。貯金が腐るほどあるから」


なーんて事を恭子さんは言っていた。羨ましい。

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