secret heaven〜彼らは確かにそこにいる〜
「おい、待った待った!!せめて向きを変えろ!!気持ち悪くなる!!」
深夜の路地ともあって、他の車通りはないのだが、猛スピードで後退する車内は悲惨だ。
モエさんの運転技術を信用していないわけではないが、一般的に危険な行為はどうしても恐怖でしかない。
「あたし、まだ死にたくないんですけどー!!」
車は一本目、二本目と通りを過ぎて、三本目の通りでようやく方向転換。
『大丈夫?』
凄く近くから声がすると思ったら、知らずまに私はハナビシさんに抱き付いていた。
「ごめんなさい!!」
弾かれたように、距離をとる。
『モエの運転は荒っぽいから。これじゃあ絶叫アトラクションも顔負けだよ』
と、涼しげに笑うハナビシさん。
きっと鋼の心臓を持っているに違いない。