焦がれて



「それ以上言うな」



掴まれた左腕が引っ張られ言葉が途切れる


顔を塞いでいた右手は投げ出され




長い腕に体ごと包まれる



「え」



意味が分からず田嶋くんの顔を見たいのに強い力で抱き込まれて見れない



初めて香る田嶋くんの匂いに心臓が高鳴る



「そんなに好きなら、諦めんなよ」


「え」


「他の奴好きになろうとかしねーで、想ってればいいだろ」



それって


  
「教室行って断ってこい」


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