ジレンマ(仮)
誰からメールが来たのか携帯を開くと、そこには " カケル " という文字が。
どうしよう・・・。
おそるおそるメールを開くと、
" いつもの場所で待ってる "
という文だけが書かれてあった。
カケルとは小さい時からの幼馴染で、家がお隣さんで、私より1つ年上で、昔からお兄ちゃん的存在だった。
だけど、ある日をきっかけにその関係も壊れた。
私は " わかった " とだけ返し、席を立った。
「あれ、沙月ちゃんどこ行くの?もうすぐ授業始まるよ?」
急に席を立った私に、真子ちゃんが疑問を投げかけてくる。
「ごめん!ちょっと用ができたから、先生には適当に誤魔化しといてくれる?」
曖昧に笑いながら答えると、真子ちゃんが不思議そうな顔をして言った。
「え?あ〜、うんわかった」
私は急いで教室を出て、目的の場所に向かった。
途中、教室で同じクラスの亮太と目があった。
亮太とも昔からの幼馴染で、私とカケルと亮太は何をするにも、何処へ行くにもいつも一緒だった。
亮太に後ろめたい気持ちを隠しながら、美術準備室まで向かった。