ジレンマ(仮)



こんな事、いつまで続けるのかな・・・。

私の心はいつまで持つ・・・?



「ねぇ、カケル」



意を決して口を開けかけた時だった。

またカケルの腕が私をフワリと包んでいた。



「沙月・・・俺のこと好き?」


「・・っ・・」



カケルはずるい。
どうしてそんな事聞くの?

そんな事言われたら、顔だけじゃなく耳まで赤くなってしまう。

カケルは最低の男だ。
彼女が居るのに・・・。

私も最低の女。
それを知ってて、カケルを拒否する事ができない・・・。



「耳まで真っ赤」



カケルは私の耳が赤くなっているのを確認すると、クスクスと優しい笑顔で私のおでこにキスをした。



「・・・っ・・・」


「・・・そんな顔すんなよ」



カケルが私の顔を覗き込みながら言った。

私は今どんな顔をしているのだろう。
自分では分からない。



「ごめんな・・・」


「・・・・・・」



なんで?
なんで謝るの・・・?
いつもはそんなこと言わないのに。

そんなこと言われたら、もうどうしたらいいのか分からないよ・・・。



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