202号室の、お兄さん☆【完】
「あ、アルジャーノンって言います」

「これ、金鯱だろ? 」

立ち上がり、窓辺のアルジャーノンの鉢を持ち上げた。


「岳理さん、サボテンに詳しいんですか?」
「俺ん家の温室にある……」
「あー、あのお化けサボテン? このサボテン、あれぐらいになるの? へー」

葉瀬川さんも立ち上がり、見ようとしたら、岳理さんがはらりと離れて背中に隠した。
……意外と子どもっぽいです。

「アルジャーノンを育ててるんですね。岳理さんの金鯱さんはどれぐらい大きいのですか?」
「…………」

少し岳理さんは上を見て考えてから、両手を広げた。


「これぐらい?」

やや疑問系でしたが、その長さを見て驚いた。


「さ、30センチ以上はあるのですか!?」
「多分」

私が興奮して近づいて行くと、岳理さんもじりじりと後ろへ下がっていく。
と、言うことは……。

「も、もしや花とかも……?」
「咲いてるよー」

葉瀬川さんが答えてくれた!!

「凄いです! 羨ましいです! 未来のアルジャーノンですねっ!
あの、写メとかありませんか!?」

とうとう壁まで追いやり、逃げ場を無くした岳理さんが舌打ちをする。

「ないよ。んなもん」
「見たいです! お願いします!」

凄く露骨に嫌そうな顔をしますが、負けません!
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