202号室の、お兄さん☆【完】
「面倒だから、見に来いよ」
「はい!!!!!」
やったー!! っと、万歳のポーズで固まってしまった。
は……い?
ん……?
それって……。
私が少し固まっていると、葉瀬川さんが顎をさすりながら、何度も頷いた。
「次は自宅デートかぁ……。
みかど女史は積極的だなぁ……」
「へ? え?」
「そっか。そっか。岳リンの為ならば、嫌いな父親の連絡もとってあげるのかぁ」
葉瀬川さんは、どんどん1人で納得しています。
心なしか、全てを包み込んでくれそうな仏のような眼差しです。
私があわあわしている横で、岳理さんは、無表情に首を傾げた。
「明日? 来週?」
岳理さんは、葉瀬川さんの言葉に全然動じていません。
ここで、私だけ慌てているのが逆に恥ずかしい……です。
「フ・ラ・グ! フ・ラ・グ!」
葉瀬川さんのチャチャにも負けず、何とか返事をしました。
「が、――岳理さんの都合の良い日でお願いします」
私には、それを言うのがやっと、でした……。