202号室の、お兄さん☆【完】

「徹夜で真剣枕投げ大会をしましたよ!」

……なんと! 27歳の男子2人が枕投げ大会!
この歳の人って大人だなーと思ってたけど、まだまだ子どもらしい一面もあるんですね。

砂糖とナプキンをテーブルに補充し回っていたら、お兄さんも私に聞いてきました。



「楠木教授とは連絡取れました?」

「……ぎくっ」

つい口に出すぐらい動揺してしまいました……。



「何度か携帯に連絡してるのですが、海外対応の携帯ではないみたいで……」

「いつ帰って来るんですか?」
「GW中だとは思うのですが……」

あまり探りを入れると逃げられそうだし……。

やはり会社に乗り込もうかと考え中です。

というか会社に乗り込む気満々なのですが……。



「楠木教授って、家庭を持ってるイメージ無かったから驚きましたよ」

「義母とは八股の修羅場を乗り越えての結婚ですからね」

補充し終わったので、バジル達の水やりへ行こうとすると、お兄さんが神妙な顔をした。


「姉は……どんな人ですか?」

「え……?」


「大学では、嫌な記憶しか残っていないので……どんな人かなぁと」

ハハッと力なく笑いましたが……すみません、私褒める場所が思い浮かびません。
< 311 / 574 >

この作品をシェア

pagetop