202号室の、お兄さん☆【完】

待ち合わせの駅前広場に、お兄さんは素敵な笑顔で立って待っていました。


平日の水曜ですから、人も疎らでした。


「みかどちゃん!」

大きくブンブンと手を振るお兄さんを、周りの人がクスクスと笑って振り返ってました。



「お兄さん!」

お兄さんは、黒のキャップに、白の無地のTシャツ、ダメージジーンズと、ラフで素敵な服装でした。

お互い少し照れてしまってモジモジ下を向いてしまいました。


「ホスト姿で来たらどうしようかと思いました」

まだ周りの人がじろじろ見ています。

「あはっ 行く前に岳理くんに色々捕まってね。はい、切符。乗り場は2ば……」

そう言って振り返ったお兄さんの背中を見て、
私はカバンを落としました。


「みかどちゃん……?」

お兄さんが此方に向き直ってくれましたが、呆然と立ち尽くしてしまいました。
む、無地のTシャツと思ってたのに。


背中に、



「背中に『日本人』って書いてます」

「へ……?」

しかも、た達筆です!!


先程から注目を浴びていたのは、この『日本人』Tシャツだったのですね!!



「ええぇ!!? が、岳理くんが選んでくれたのに!?」


うっかりかワザとか……岳理さんはやはり掴めません。
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