202号室の、お兄さん☆【完】
「……別に聞いてませんよーだっ」
「へー」
「だって、岳理さんは4年間ストーカーしてたお兄さんより、私に夢中なんですから」
「…………」
ふんっと、私が偉そうに言うと、何故か岳理さんは顔をハンドルにつけて爆笑していました。
理由を尋ねても、抱きしめられて誤魔化されました。
……やっぱり岳理さんはまだまだ謎だらけです。
でも、爆笑する岳理さんは初めて見れた気がします。
「そう言えば、岳理さんは舞妓さんとの目隠しゲームは知ってますか?」
「……は?」
私は、ドラガンさんが夢中になっていた目隠しゲームの話をしました。私と間違えてトールさんにペタペタ触っていた事も。
「……へぇ」
そう言った、岳理さんの瞳は、ギラギラと静かに燃えていました。
そして、次の日の朝ご飯で事件は起こりました。
なんと!
ドラガンさんのオムレツだけ、中身に納豆が入っていたのです。
ドラガンさんがトイレへとダッシュする中、リヒトさんとトールさんは岳理さんを見ていました。
「へぇ、あいつ本当に納豆駄目なんだ」
一人だけ平然としていた岳理さんは、まだまだ私は良く理解できていないのでありました。