ありがとうのその前に



教室に戻ると結衣がすごい速さで走ってきた


『琴音大丈夫?!すごい音したけど…』


『大丈夫大丈夫!正直顔よりメンタルがキツイっすよ…』


普段は我慢するあたしだけど今回はさすがに愚痴りたくもなるよね…


はぁ…



ため息が出るよ…



『あ、そういえば松井くんすごかったよ!倒れた琴音をお姫様抱っこで運んでさぁ♪かっこよかったぁ♪』


『保健委員だからってそこまでしてくれたんだ?!目が覚めるまで付き添ってくれてたんだよね~』


『いや保健委員って言っても怪我人運んだり付き添ったりしないでしょ(笑)名前だけの委員じゃん。』


『え?そおなの?』


『まぁ松井くんは面倒見いいからね♪そんなとこも素敵よねぇ~』



結衣のイイ男レーダーが起動してるみたいだ



ふ~ん。やっぱ松井くんイイ人だな



そう思いながら連絡先の書かれた紙を開いて見る


『なにこれ?!』



結衣のテンションは最高潮!イイ男レーダー起動中のままその紙を取り上げた



『松井くんに渡されたの。悩んでるみたいだからいつでも連絡してって』


『まぁじでぇ!』


結衣…顔が恐い…てかむしろキモい…


そんなあたしの反応に気付かないのか興味ないのか…そのまま結衣は話を続けた



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