Lost voice Ⅱ‐キミ ノ オト‐
「俺ねー、ショーシンなの、わかる?」
傷心…かな?
頭の中で漢字を変換するのに数秒を要した。
傷心って、昨日の様子ではちっともそんな風に見えなかったけど…
「俺はあいつらのこと今でも大切な仲間だと思ってるよ。なのにさ、もう来るなとかひどくねぇ?」
「…まぁ、確かに…。でも、あなたが勝手に抜けたから困ってたって聞きましたけど」
「そりゃあさ、あんなん才能の世界じゃん。俺はあいつ見てて、テンサイとボンジンとの壁の差を知ったんだよ」
暁くんの姿が頭をよぎった。
「絶対追い付けないと思って拗ねて、逃げたことはハンセーしたし…また頑張ろうと思ったらさぁ、ユズチャンてゆー新しいボーカルがいるって聞いて、様子見に行ったらあれだしさぁ」
しゅん、と拗ねた横顔に昨日のような威圧的な感じはなく、子供のようで、なんとなく警戒心は薄れていた。
暁くんとの約束は、すっかり抜け落ちてしまっていた。
「…きっと、わかってくれますよ。ちゃんと話せばわかってくれます。みんないい人ですもん」
「そうかなぁ」
「はい!龍さんもみんなが好きだから、また仲良くしたいって思ったんでしょう?私もみんなが好きだからわかります。元々仲良しだったんですから、大丈夫」
「…そっかぁ、ありがとうねユズチャン」