好きだったよ、ずっと。【完】
「なんでよっ…!!」



「んー?だって照れてる朱里、可愛いだろ?もっと見たい」



そんなに、<可愛い>連呼されたら調子にのっちゃう…。



「春夜…、お願いっ…」



このままだと、わたし恥ずかしさで溶けちゃう…。



「なに、キスのお願い?仕方ねぇな」



「ちっ、ちがーーうっ!!」



また勢いよく目線を合わせてしまった、おバカなわたし。



結果、さっきと同じ…、いやさっきよりも春夜の顔が近くにあって唇が触れ合いそうな距離、わずか3センチ。



さすがに春夜も驚いた様子で、わたしたちはしばし無言で見つめ合った。



「朱里」



でも、さすがは春夜。



すぐにいつもの春夜に戻ると、真剣な顔で、声で、わたしを呼んだ。



春夜マジックにかかったわたしは、動けなくなって。



少しずつ近付いてくる春夜に、目を閉じかけたその時。



「あ、電話っ!!」



わたしの携帯の着信音が鳴り、素早く春夜から離れるとソファに置いた鞄目掛けダッシュした。



その時、春夜が溜め息を吐いていたことなんて気付きもしなかった。
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