好きだったよ、ずっと。【完】
揺れ動く乙女心
「わたし、取ってないから」



「えっ、朱里ちゃん!?」



いたのは女子三人で、わたしの登場に目を大きくさせ驚いていた。



わたしだって、聞き耳立てなくなかったけど。



「わたしはずっと、春夜が好きだったよ。でも、璃香も大切な親友だからずっと心に秘めてたの。気持ちがバレたのは、つい最近で。璃香と春夜が別れたのは、結構前。それでも、わたしは自分の気持ちを言わなかった。これが事実。勝手に、わたしが取ったことにしないでくれる」



「ご、ごめん…。わたしたち……」



三人は、下を向き俯いた。



これじゃぁ、わたしが叱ってるみたいじゃない。



「分かってくれたら、それでいいから」



わたしは洗面台まで移動すると手を洗い、バッグからハンカチを出すと手を拭いた。



「あと、わたし帰るから。春夜にもし聞かれても、知らないフリしといて。じゃぁね」



今夜は、家に帰ろう。



璃香を、お姫様抱っこしてたという二人の姿を見たくない。



きっと璃香を今も、介抱してるんだ。



三人に声を掛けると、わたしはドアを開け廊下に出た。



「よぉ」



「なっ…、んで、いるのよ」



廊下に出ると、わたしに声を掛けてきたのは聡で。



壁に寄りかかって腕組みをしていて、わたしを見ると片方の手を挙げた。
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