好きだったよ、ずっと。【完】
「そうそう!酔っぱらった璃香ちゃんを、お姫様抱っこしてさー!!」



……っ。



息が詰まりそうになった。



トイレに、来なければ良かった。



聞かなければ、良かった。



そんな後悔をしたって、もう遅い。



「しかも、ちゃんと璃香ちゃんも首に手回してねぇ!」



「もう、絵になりすぎだよねぇ!」



もう、やだ…。



それ以上、聞きたくない。



お願いだから、黙ってよ。



そう願うも、彼女たちの興奮は収まらなくて。



「ねぇ、なんであの二人別れたんだと思うー?」



「えー?やっぱ、アレじゃない?」



「やっぱ、そうだよねー」



なにが、アレなの?



あなたたちは、二人のなにを知ってるっていうの。



「絶対、朱里ちゃんが取ったんだよー」



え、わたし…?



わたしが、璃香から取った…?



ねぇ、みんなそう思ってるの?



「だよねぇ。それしか考えられないもんねぇ。オンナって怖いよねぇ」



いや、あんたたちのほうがよっぽど怖いんだけど…。



「朱里ちゃんって、結構性格悪いんだねぇ」



その瞬間、プチンとわたしの中でなにかが切れる音がして、静かにドアを開けた。
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