好きだったよ、ずっと。【完】
「分かった、分かった。ここは開けないから、それよりメシ」



「あのねぇ…!わたしは春夜のお母さんじゃないの!!」



なにが<メシ>よ。



「分かってるよ。前田朱里、だろ?俺のことを好きな女で…、ってイタッ!!」



「もう、からかうなら帰って…」



春夜を思い切りグーで胸を叩いたあと、悲しくなってきて、わたしは俯いた。



俯いたら、急に視界がボヤけてきて、ヤバイと思って目をシュパシュパさせた。



「朱里…?」



また、優しい声で、わたしの脳を刺激する。



春夜は屈んで、わたしの顔を覗いてきた。



でも顔を見られたくなくて、両手で顔を隠した。



「もう、なんなのよ…」



「え?」



「迷惑なら、迷惑だって言えばいいでしょ!?お前のことは女として見れないって、言えばいいじゃない!バッサリ振ってよ!!」



我慢してた涙が再度ジワリと溢れてきて、それを止めることは出来なかった。
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