好きだったよ、ずっと。【完】
どうして、<何もなかったよ>と言えなかったんだろう。



そう言えたら良かったのに。



肩を落とし落ち込んでると、上から「はぁ…」と溜め息が聞こえてきた。



呆れられた…?



好きでもないのに、聡をホテルに誘ったから?



それとも、聡とチョメチョメなことしたから…?



でもチョメチョメ部分は言ってないし…。



って、曖昧な返事でバレてるのか…。



「俺の、せいだよな」



「へっ!?」



でも聞こえてきたのは、俺のせいだと言った春夜のことで。



わたしは顔を上げて、春夜を見た。



「俺があんなこと言ったから、だろ?」



そうだよ、元々は春夜が<璃香>のことばっか言うから。



わたしのことは女として見れないとか言うから。



わたしのことを突き飛ばしたりするから。



だから、聡とあんなことになったんだよ。



「やっぱサイテーだな、俺」



目を隠すように片手で押さえる姿に、ドキンとした。



「でも…」



「ん?」



「でも、好きなんだよ…。春夜のことが…」



今日のわたしは素直すぎるかもしれない…。
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