sweet wolf
授業は相変わらず退屈だった。
おまけに、あたしにとっては何の特にもならない英語。
帰国子女のあたしにとって、もはや釈迦に説法状態だった。
あたしがボーッと外を眺めているものだから、先生があたしの名を呼ぶ。
「栖本。25ページ音読しろ」
そんな舐めたことを言うものだから、あたしは流暢な英語で教科書を棒読んだ。
教室がざわっとする。
前の席にいる頭が良さそうな眼鏡野郎が、口をパクパクさせてあたしを見ていた。
読み終えたあと、
「余裕でしょ」
わざとそう言い席に座る。
こんなあたしの態度がいじめの原因になっているとは分かっているけど、今さら変わる気はしない。
あたしは、あたしの思うままに生きるから。