sweet wolf
がばっ!!
あたしは全力で身を起こしていた。
胸がどきどきと音を立て、全身から汗が吹き出ている。
あたし……
あたし、すっごく変な夢見た!
だけどやけに現実味を帯びていた。
もしかしたら、忘れていた記憶の断片だったのかもしれない。
「杏」
蓮は何のためらいもなく、あたしをそう呼んだ。
それは、蓮のキャラ的にちゃんを付けるのが恥ずかしいだけかもしれない。
それに、蓮があたしのことをどう思っているかも分からない。
いや……
あたしを守ってくれる理由が「面白いから」。
そんな奴だ。
あの頃の約束なんて忘れているだろうし、もう時効だ。
あたしは甘いため息をついていた。