sweet wolf
これ以上無様な姿は見せられないと思い、渾身の力で立ち上がった。
少女漫画みたいに、床にへなへななんてしてやらない。
蓮はこんなあたしを満足そうに見ていた。
その口角を少し上げて。
その優しげな顔にどきっとしてしまう。
それでは駄目だと思い直し、蓮を睨んだ。
「あんた、邪魔なんだけど」
これ以上蓮の言いなりにならないと思い、必死で悪あがきする。
それでも蓮は動じない。
「口だけは一人前だな」
その余裕な態度に腹が立つ。
「お前、もう帰んだろ?
暇だし遊びに行くぞ」
「は!?」