sweet wolf
「言っただろ。
俺がてめぇに負けるはずがねぇ」
倒れている直樹の胸ぐらを掴み、再びその腹を殴る。
「うっ……」
直樹が声を漏らし、血が飛び散った。
あたしのせいだ。
直樹はあたしのせいで、ブリーチから目を付けられてしまった。
あたしがいなかったら、直樹はこんな目に遭わなかったのに。
それに……
許せない、あのブリーチ。
抵抗すら出来ない直樹を殴り続けるなんて。
いや、抵抗出来ないから、殴り続けているんだ。
これじゃ、あのいじめっ子たちと同じだ。
あたしの中で、めらめらと燃え始める怒りの炎。
強くなろうとか、今となってはどうでもいいのだろう。
だけど、あたしは強くなるために戦うのではない。
……直樹を助けなきゃ!!