sweet wolf




「てめぇら二人が狼と関わりがあるのは確実だ。

それに、その女は大宮と……」




ズキン……




あたしの胸が痛んだのと、直樹が大声を上げたのは同時だった。





いつもマイペースで穏やかで、取り乱したりしない直樹。

そんな直樹が顔を真っ赤にして、拳を振り上げ、ブリーチに向かっていた。

追い詰められた動物のような、悲痛で痛々しい叫び声は、あたしの耳を刺激する。

思わず開いたあたしの瞳に映ったのは、ブリーチの勝ち誇った顔。

直樹がブリーチに拳を振り下ろすよりも速く……



ドスッ……



重く鈍い音が響いた。



そして、直樹は腹を抱えてその場に崩れ落ちた。




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